『仏陀再誕』の特徴は「信仰の敵」というものを印象強く描いている点だ。今までの幸福の科学の映画でも「信仰の敵」は出てきたが、映画全体には登場せずクライマックス前を盛り上げる前座的存在であった。それに「信仰の敵」は「無信仰」であり、敵対宗教団体ではなかった(インチキ宗教が登場する作品はある)。原作『仏陀再誕』でも敵対宗教団体についてはいっさい書かれていない。大川隆法が全ての宗教の頂点に立つという考え方なので、他宗教を批判する必要がないのだ。
しかし映画『仏陀再誕』では敵として「現代日本で信者数が多い宗教団体」を設定している。幸福の科学は日本人が持つ「宗教=危ない」のイメージを作り出した原因として創価学会を批判しているので、今回の敵の設定もそこから来ているのだろう。しかし「宗教=危ない」の印象を作り出したのはどちらかというとオウムと統一教会だ。幸福の科学が今の時代になって創価学会批判を開始したのは、やはり選挙絡みなんだと思う。

霊界や過去の世界を描いてきた今までの幸福の科学の映画と大きく違い、『仏陀再誕』は現実社会で展開する物語だ。『仏陀再誕』が描きたかったのは

1. 仏陀は現代日本にいる
2. その仏陀とは大川隆法
3. 大川隆法が日本を救う

という三点であり、それは劇中で十分すぎるほど描かれる。時代は21世紀だというのに個人をここまで尊大に描いた映画が全国公開されたのがすごい。

Notes